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広瀬隆雄

Market Hack編集長

現在値 0.070000BTC
時価総額 3,500.000000BTC
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新しい働き方、かたにはまらない生き方に興味があります。大学卒業以来、かれこれ35年近くもボーダーレスな生き方をしてきました。よろしくおねがいします。
広瀬隆雄

【仮想通貨 「死の谷」にさしかかった?】
ビットコインをはじめとする仮想通貨の取引が、出来高面でも、価格面でも低調ですね。
先日、株式投資に関する下の記事を、あるところに寄稿しました。そしたら、まったく予想しなかったことですけど、仮想通貨クラスタから反響がありました。「これって、仮想通貨のこと?」という(笑)

https://www.sbisec.co.jp/ETGate/?OutSide=on&_ControlID=WPLETmgR001Control&_PageID=WPLETmgR001Mdtl20&_DataStoreID=DSWPLETmgR001Control&_ActionID=DefaultAID&getFlg=on&burl=search_market&cat1=market&cat2=report&dir=report&file=market_report_fo_hiro_180629.html

広瀬隆雄

【仮想通貨:中央集権か分散型か?⑥】
以上がアメリカの歴史ですが、ひるがえって今日の仮想通貨を見渡した場合、仮想通貨は乱立しており、「金融政策」に相当するものは存在しません。FRBは不景気になると紙幣の供給を増やすことで信用緊縮(クレジット・クランチ)を回避するわけですが、仮想通貨にはそれが出来ません。また経済の大きさに合せて通貨の流通量を調整することもしないので、正貨不足がデフレを誘発することも考えられます。

仮想通貨クラスタの中には「いつか仮想通貨が法定通貨にとって代わって欲しい」と願う人も多いですが、仮想通貨は深刻な景気後退や金融パニックを回避するような「安全弁」のメカニズムを全然備えてないので、主役の座に就くには役不足だと思います。

広瀬隆雄

【仮想通貨:中央集権か分散型か?⑤】
第二次合衆国銀行が廃止された後の米国は発券銀行乱立時代に入ります。数千もの銀行が「ドル札」を発行し、それらは州政府による「名ばかり」の監督を受けていました。本来、これらの「ドル札」はゴールドにリンクしているわけだから価値は一定のはずでした。しかし実際には発行銀行の所在地から遠くなればなるほど、ドル札はディスカウントで取引されました。その理由は発行銀行が自行の出した「ドル札」とゴールドの兌換に応じるのは本店だけだったからです。

発行銀行は地下金庫に準備している金の延べ棒の量を超える「ドル札」を印刷しました。そしてそれをわざと本店所在地より遠い場所で流通させました。なぜなら遠隔地の消費者は、わざわざ本店まで出向いてドル札をゴールドに交換しないだろうという読みがあったからです。

このような超過発行はドル札の価値を毀損する原因になりました。その結果、ニューヨークの住民がドル札を持ってフィラデルフィアに旅行したら、現地でそのドル札を受け取ってもらえないということが頻発しました。また受け取ってもらえる場合も大幅なディスカウントを要求されたのです。特にメイン、ミシガン、ジョージア、インディアナ、ネブラスカの各州で発行されたドル札は誰も受け取ろうとしなかったそうです。こうした状況は、旅行者にたいへんな不便をもたらします。

このようにドル札や銀行に対して庶民が信頼を置いてなかったので、1893年、1907年には金融パニックが起きました。FRBはこうした苦い経験から設立されたのです。

広瀬隆雄

【仮想通貨:中央集権か分散型か?④】
二度に渡って中央銀行を廃止したアメリカでは、むしろ金融政策を巡る主な議論は「ドルをゴールドと兌換性にするか?」ということを巡ってたたかわれました。ドル紙幣は民間銀行によって勝手に発行されていたので(=こんにちのICOを想起させます)、なんらかの信用の裏付けが必要だったのです。

ゴールドのリザーブ(準備)を根拠として紙幣を発行し、「いつでもゴールドと交換しますよ!」と言えば、それは絶大な安心感をもたらします。なぜなら輪転機を回してどんどんドル紙幣の供給を増やすことはできないからです。

その反面、金塊は地中から発見されなければいけないため、その発見のペース、すなわち信用の供給は、かならずしも経済の拡大と歩調を合わせないという問題が発生しました。

経済が活発になるには商品とお金がサクサク交換されなくてはいけません。しかし金本位制を採用したアメリカは慢性的な正貨不足に見舞われました。またゴールドラッシュに代表されるような突然の供給の増加はインフレを招きました。

つまり経済の発展そのものがゴールドの供給によって左右されてしまう状況になったのです。

広瀬隆雄

【仮想通貨:中央集権か分散型か?③】
第二次合衆国銀行は経済の安定に寄与しますが、第七代大統領にアンドリュー・ジャクソンが就任すると、中央銀行が権力を握ることを好まないジャクソンは拒否権を発動し、第二次合衆国銀行を解体します。

アメリカは再びインフレを経験した後、深刻な景気後退に見舞われました。

一度ならず、二度も同じ間違いを犯したにもかかわらず、なぜアメリカの有権者は中央銀行を「うさんくさいもの」とみなし、毛嫌いするのでしょうか?

フランスの歴史家トクヴィルは、アメリカ人が「銀行嫌い」であることを詳述しています。アメリカは英国の植民地だった歴史から「遠くの王様に支配を受ける」ことを嫌い、その支配から解放されるために戦争を戦いました。だから自分の地元に対する愛着が強く、中央権力には懐疑的なのです。

加えてアメリカの農業は土地がタダ同然で幾らでもあった関係で、当初からスケールを追求した大規模農業でした。それを実現するためには家畜や農機具などの「資本財」をまず購入することが必要となります。このためアメリカの農民は先ず銀行からお金を借りないと農業が出来なかったし、債務の返済に四苦八苦することが多かったです。アメリカ人が「銀行嫌い」になったのはこのような背景によります。

つまり「発券銀行は小さければ小さいほど良いし、地元の、我々の監視の目が届く小銀行がこのましい」という先入観はこうして醸成されたのです。

広瀬隆雄

【仮想通貨:中央集権か分散型か?②】
第一次合衆国銀行はアメリカが英国から独立した後、1791年にフィラデルフィアで設立されました。初代財務長官、アレキサンダー・ハミルトンが中央銀行の設置を強く提唱しました。これに対してトーマス・ジェファーソンは大反対しました。結局、初代大統領のジョージ・ワシントンがハミルトンの意見を支持し、中央銀行が設置されることになったのです。

独立戦争を戦う上で、アメリカの諸州は借金に借金を重ね、破綻寸前でした。金融パニックを防ぐため、アレキサンダー・ハミルトンはそれらの借金を一本化し、中央銀行に負わせました。これなら「大きすぎて潰せない(Too big to fail.)」ことになり、債権者も債務者の都合に合わせる必要がでるからです。

このハミルトンの目論みが功を奏して第一次合衆国銀行の最初の20年は素晴らしい成功でした。しかしジェームズ・マジソンが第四代大統領になると、連邦政府の権限が強くなりすぎると権力の濫用が起こると考えたマジソンは第一次合衆国銀行を解体します。

こうして1811年に、アメリカは誰でも通貨を発行できる自由放任主義に戻ったのです。

しかしその直後からインフレが荒れ狂い、銀行倒産が相次ぎ、ジェームズ・マジソンは自分の考えが間違っていたことを痛感し、1816年に第二次合衆国銀行を設立します。

広瀬隆雄

【仮想通貨:中央集権か分散型か?①】
分散型ネットワークを利用した仮想通貨のメリットについては色んな人が指摘しています。僕もそれを否定する気はありません。ただ歴史は中央銀行による発券(=紙幣の発行)の方が遥かに好ましいことを示しています。こんにち世界を見回すと大部分の国が中央集権で通貨を発行し、私的な通貨の発行・鋳造があまり行われていないのは偶然ではありません。

このことを考える上で参考になる事例はアメリカです。

アメリカの中央銀行は連邦準備制度理事会で、FRBと略されています。ほぼ100年の歴史しかありません。

それ以前は中央銀行が存在しないことが多かったです。「存在しないことが多かった…」というのは持って回った言い方ですが、そういう言い回しを使わざるを得ない理由は、アメリカが英国から独立し合衆国になった後で、第一次合衆国銀行、第二次合衆国銀行という中央銀行が、それぞれ設立されては解体されるということを繰り返してきたからです。

広瀬隆雄

http://markethack.net/archives/52078068.html バリュー一周年について書きました。

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